日銀の年内追加利上げを7割弱が予想、最多は12月の44%

 日本銀行が7月31日の金融政策決定会合で3月以来の利上げを決め、植田和男総裁が記者会
見で今後も利上げを続ける姿勢を明確にした中で、7割弱のエコノミストは年内の追加利上げ
を予想している。

 ブルームバーグが1日に実施した特別調査によると、回答した41人のエコノミストのうち68
%が、政策金利の無担保コール翌日物金利を年内に0.25%程度からさらに引き上げると見込ん
でいる。最多は12月の44%で、次いで10月が24%。9月との回答はなかった。20%は来年1月
の利上げを予想している。

 植田総裁は7月会合後の会見で、目標の2%を上回るインフレ率が続く中、「実質金利は非常
に深いマイナスにある」とした上で、経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば「引き続き金
利を上げていく考えだ」と語った。円安が物価を想定以上に押し上げる可能性を「重要なリスク
と認識して政策判断の一つの理由とした」とも述べた。植田総裁のタカ派的な姿勢への転換が、
市場の見通しに大きく影響した形だ。

  東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、「米国で利下げが始まってもソフトランディ
ング傾向が続きそうなら、早ければ次の10月展望リポート時に日銀は0.5%への利上げを決める
可能性がある」と指摘。その上で、現在の実質翌日物金利は半世紀弱見られなかった深いマイナ
ス圏にあるとし、「来年にかけて1%程度への利上げはあり得る」とみている。

 7月会合での利上げの決定については、エコノミストの63%が「適切」と評価。従来の月間6
兆円程度を2025年度末に3兆円程度まで圧縮する国債買い入れの減額計画に関しては、85%が
「適切」とした。                          「Bloomberg」